スーパーは朝10時から夜8時までというのが一般的であったのは既に過去の話。最近はコンビニに対抗して24時間営業のスーパーが増えました。さらに、ネットで注文して自宅まで届けてくれる、というサービスを始めているスーパーも多くあります。自宅に食品を届けるのは、生協の得意分野であったと思いますが、ネットが絡むことによって、より多くの企業に広まったようです。

私の妻は、つい最近、食材の宅配サービスである「ヨシケイ」を始めました。最初の1週間限定で半額、というチラシが入ったいたのがきっかけで始めたのですが、やはりその後も、週のうちの3日のみ注文できるコースがあったり、単品で注文できるコースが用意されていたり、それらが食欲のそそるカタログでわかりやすく説明されています。フォローの仕組みがしっかりと準備されているため、その作戦通り、妻はそのまま継続してヨシケイを利用しています。

ヨシケイという企業名はもちろん子供のころから知っていましたが、実際に利用したのは初めてでした。実際に利用してみると、非常にうまい商売であることがよく分かります。まず、リスクが少ないビジネスであることがいいです。契約家庭数=必要在庫数になるので、在庫リスクがありません。大量仕入れをするので仕入れコストも下げられるでしょう。仕入れたものをそのまま料金上乗せして販売する、という土地ころがしにも似たビジネスです。必要なのはカロリーがきちんと計算されている美味しい献立メニューを作ること。これも契約数が増えれば増えるほど1メニューごとにかかる開発コストが下がるので、非常にいいですね。不況の影響で共働きしている家庭が非常に増えていることも追い風になっていると思います。

ヨシケイは30年以上前からある企業ですが、この営業スタイルは現代に非常にマッチしています。それは、ひとつひとつの家庭と密接に関わることです。高齢化社会と言われるようになって久しくなりますが、団塊世代が現役引退することによってこれから本格的な高齢化社会に突入します。そのような時代に必要なのはヨシケイやスーパーが行っているような自宅へ直接届けるサービスではないでしょうか。それは単純にものを届けるだけではなく、コミュニケーションをとることであったり、安否を確認することであったり、情報を届けることであったりと、様々な形があると思います。そして、そこに新たなビジネスが生まれるのではないでしょうか。今から必要になってくるのは、より密接な人と人の関わり合いになります。単純にものを売ればいい、という時代はバブルが弾けた段階で終わりました。われわれ事業者はより知恵を絞って自社を中心としたコミュニティを形成し、ビジネスを展開していく必要があると思います。